Japanische Klassiker mit Furigana
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こはくのパイプ
琥珀のパイプ
甲賀 三郎
Lesen Sie 琥珀のパイプ (こはくのパイプ) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.109 Zeichen · 37 Bildschirme
時間の関係から、殺人と火事とが連絡があるかないかと云う事が刑事間の論点になったらしい。
兎に角、ある兇漢が男の方と格闘の上、枕許にあった皮むき庖丁で刺殺し、子供を連れて逃げ様とする女を後から殺した。それから死体を隠蔽しようと思って床板を上げたが果さなかった。襖を切ったのは、薪にして死体を燃す積ではなかったろうか。
「然し、厳重に夜警をしている中を、どうしてやって来て、どうして逃げたかなあ?」刑事の一人が云った。
「そりゃ訳もない事です」松本が口を出した。「夜警を始めるのは十時からですから、それ以前に忍び込めるし、火事の騒ぎの時に大勢に紛れて逃げる事も出来ましょうし、或は巡回と次の巡回の間にだって逃げられます」
「君は一体なんだね?」刑事は癪に触ったらしく、「大そう知ったか振りをするが、何か加害者の逃亡する所でもみたのかね?」
「見りゃ捕えますよ」松本は答えた。
「ふん」刑事は益々癪に触ったらしく、「生意気な事を云わずに引込んでろ」
「引込んでいる訳には行きませんよ」松本は平然として答えた。「まだ検事さんに申上げなければならん事がありますから」
「わしに云う事とは何かね?」