Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
うりのなみだ
瓜の涙
泉 鏡花
Lesen Sie 瓜の涙 (うりのなみだ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.247 Zeichen · 21 Bildschirme
――大川も堀も近い。……ついぞ愚痴などを言った事のない祖母だけれど、このごろの余りの事に、自分さえなかったら、木登りをしても学問の思いは届こうと、それを繰返していたのであるから。
幸に箸箱の下に紙切が見着かった――それに、仮名でほつほつと(あんじまいぞ。)と書いてあった。
祖母は、その日もおなじほどの炎天を、草鞋穿で、松任という、三里隔った町まで、父が存生の時に工賃の貸がある骨董屋へ、勘定を取りに行ったのであった。
七十の老が、往復六里。……骨董屋は疾に夜遁げをしたとやらで、何の効もなく、日暮方に帰ったが、町端まで戻ると、余りの暑さと疲労とで、目が眩んで、呼吸が切れそうになった時、生玉子を一個買って飲むと、蘇生った心地がした。……
「根気の薬じゃ。」と、そんな活計の中から、朝ごとに玉子を割って、黄味も二つわけにして兄弟へ……
萎れた草に露である。
――今朝も、その慈愛の露を吸った勢で、謹三がここへ来たのは、金石の港に何某とて、器具商があって、それにも工賃の貸がある……懸を乞いに出たのであった――
若いものの癖として、出たとこ勝負の元気に任せて、影も見ないで、日盛を、松並木の焦げるがごとき中途に来た。