Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
旅寝を重ねて行くうち私たち二人のみょうとに似た関係もいつか水無川の流れのように断えてしまいました。もとからこの種の縁は水無川の水のように二人の間には源からは湧き切れなかったのでしょうか。わたくしに言わすれば、私たち二人の身の上に深くも眼覚めて来た諸行無常の苦しみを、かゝる耳掻きで耳の垢掻くほどの人事では滅多に忘れ得るものではなかったのだと思います。
青麦と蚕豆の畦を通って茂林寺の文福茶釜を見物いたします。青竹の欄干の上へ案内の僧は古釜を持出します。むかし狢の化身と噂された守鶴という老僧が千人の茶会のとき、汲めども尽きぬ妙術を使った由緒の物語を節をつけて喋ります。言葉の合の手のように、その紫金銅とやらいう釜の胴を撥いてみせます。寂しく澄み渡った釜の音いろ。これぞ最後の名残りのように、私たちを化し続けている安宅先生の自覚しない哀れな芝居気を思い起します。芝居気を透して響く寂しく澄み渡った女の正音を思い出します。
盛りの頃は地にまで咲き垂れるという粕壁名物の藤の花は、いま指尖で襷を摘んで垂らしたほどの花房でした。けれども傍の農家では床几などをしつらえて客を待っております。