Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
わたくしはそれをぼんやり眺めて亡父の思い出に耽りながら、どうやら外出着の着物に着替えました。化粧も取繕い、階下へ降りて行きました。競りの遊びをしておる若旦那たちは、わたしの姿を見ると、ちょっと揶揄いましたが、別に疑うこともなく遊びに夢中になっています。あとはまた酒盛りにでもなることでしょう。
C――橋の袂へ来ると池上は俯向いて待っていました。こう改まって、外でこの若旦那に会うと、まるで別の人のような感じが致します。少し撫肩で、大柄の身体に瀟洒とした背広をつけている。それがすこしごそついて、山の手の智識階級の青年でもなく、下町の商家の息子でもなく、何か中途半端で懐疑的な性格が姿にも現れているようでいて、根は人の良い怜悧な青年でした。
他人行儀のような、そしてお互いに相手を呑み込んで軽蔑しているような、それ故に好感を持っていると言ったような妙なお叩頭をし合うと、池上は両手をズボンのポケットへ入れ、上体をやゝ漕ぐように調子を取りながら、こつ/\堀川の岸に沿うて歩き出しました。若い娘を連れて歩く歩き振りとも思われません。
わたくしはまた、この棒立ち歩きに、どう連れだっていゝものか、趣向しあぐね、しかし相手が大股なものですから、とき/″\駆け足にならなくてはなりません。