Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
水楊だのアカシヤだのが一列に並んでいるのはそこに渓川の在ることを示しています。水草小屋が見えます。
稲田はいま伸びる盛りで、昼前の日光に青臭く晴々した匂いを立てゝいます。三番目の田草取りの男女がその中を匐い廻っています。
田草取り連中は常司の姿を見ると、何とか言って声をかけます。常司も声をかけます。若い娘を見かけると常司は、
「昼から粘土打ち出てくれろよ」
と怒鳴ります。娘は、
「うん、出るよ。うん」
常司は自転車の上に伸び上って、
「返事ばかりじゃなかろうな――」
「あはははゝゝゝゝ大丈夫」
快さそうな笑い声が稲の青葉の中に隠れます。小合溜の近くになって道はまっ直ぐに畑地の部落と左へ尾根山へと岐れるところへ来て、啓司は常司と別れました。別れ際に常司は、啓司を呼び止めて、
「繁司兄さんもこの頃、いら/\してるらしいぜ。会社の方はまるで喰い違ってるし、砂利は世間が不景気でコンクリ建築が少ねえから売れねえし、乗車賃が高価過ぎるといってバスは客が乗らねえし――」
「そんなことになってるのか」
啓司は吃驚して弟の方を見ました。
「俺ほんとによくは知らねえけどまあ大体にはな」