Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
そこで畑地の道へペタルを踏んで分れて行きました。啓司はハンドルを尾根山道の方へ取りながら、ふとわたくしを見つけて「おゝ、ぼんやりのお蝶か。一緒に象ヶ鼻まで遊びに行ってみないか」あっさり言いっ放しで強いて勧めるでもなく首は畑越しに弟の後姿の方に向けて眺めやりました。その弟の姿には何の気がゝりがありそうにも見えません。啓司は再びこの末弟が馬鹿か利口なのかと考えて見ずにはいられない様子です。
わたくしはまたこの青年に誘われたまゝ、小合溜方面の貰いを打ち捨てゝ、自転車の横に附いて黙って歩いて行きました。
啓司は水車小屋に自転車を預けて、尾根の象鼻に上って行きました。わたくしも登ります。
尾根山の象鼻は萱に覆われて小高く丸味があり、なるほどそう思えばちょっと象の頭から鼻へかけての形に見えなくもありません。尾根山の根元から象の頭へかけては本家の百瀬が持主であります。百瀬家に言い伝えがあって、尾根の象鼻は百瀬の家に取ってはなにかの場合には救いになる山だ。決して手離してはいけないというのだそうです。事実二度ほど百瀬家のみならず、この界隈を救ったという言い伝えがあります。