Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
その努力に於てわたしはお艶をやゝ色っぽい心も通ずる女性として死後も扱って行けたのだが。
お艶が歿くなったとき、わたしは秋雄と肩に手を支え合いながら言った。「もはや生き支える力もないが、しかし、ともかく生きて行こう」お艶はあんな派手で電力のような女だ。眠ったとて死のような陰気な世界へは行くまい。わたしたちが下手に自殺でもしてその世界へ行きかの女に行き違いでもしたら、取り返しがつかない。何とかお艶と行く先に就ての考えが定まるまで、とにかくおれたちは生き延びて行こう。これがわたしの腹であった。いつのことか判らないが、この世のような苦楽の世界で再びかの女に巡り逢える気がしてしようがなかった。秋雄にもこの事は厳重にいい聴かした。だが、その繋りも除れた。お艶と多少のいろ気に於て繋がれていたと思われるものは除れた。わたしの禁慾はもはや人情上の片務で、意味ない。さればとてこれを今更誰に繋ごうぞ。秋雄はわたしの七転八倒を流石に心配して「身体にいろ気が籠ってるのじゃないですか、試しに金で買えるようなもので放散してみちゃ」と言った。だが、わたしは、これをむざ/\金で買えるようなものに向って捨て散らすのはあまりに勿体ない。