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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

とわたしは話した。「またおじさんの躾け話かね」わたしは寂しくふ ふ ふと笑い、「この三下りを前に唄ったのは数えてみると今から二十八年前だ」と、つく/″\述懐した。「そのときおじさんは歿くなったあのお艶のために唄ったんだろう」「そうだ」「そして今は蝶子のためにか」「そうだ」「唄は同じだがコンディションは違うね」「相手が煮え切らねえところは同じことよ」秋雄はさすがに大きく笑った。わたしは秋雄に勧めて、巴里の新流行歌「ジュ、ジュの唄」を輸入の楽譜によって唄わして聴いた。唄のこゝろの哀れさに東西変りはない。

枕に響く夜の雨。一夜まんじりともせず考え明かしてわたしは、更に新しく到達した決意に立った。それはおまえに話して「まあ、恐ろしい」と言われたその決意だ。

わたしの人生に於て、わたしは愛人としてどの女の心も得なかった。おじさんとしてのそれだけを得た。寂しい生涯だった。たゞ唯一の暖味は、天下の歌手お艶が、わたしのためにわたし同様禁慾してるということだった。それはわたしに大きな負担を感じさせてはいたが、何となくわたしに艶気のある心情を感じさせた。それはおじさんに対する好意以上のものとしてわたしは永くお艶の死後もなお悦んで禁慾の生涯を続ける力があるように思えた。