Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いなかもの

田舎者

豊島 与志雄

Lesen Sie 田舎者 (いなかもの) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.181 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

畜生、と足をふみならしたいところだったが……。

そこへ、マダムが帰ってきた。へんに混血児らしい知的な顔をつんとさして、幾重もの意味を同時にこめた笑みを眼にたたえて、お辞儀とあべこべに身体を反らせて……。

「まあ、皆さん、留守をしてすみませんわね。」

急に明るくなったような室の中に、背がすらりと高くて、頬の薄い白粉の下にほんのりと紅潮している。やあ! とみんなが、拍手ででも迎えそうな気配のなかに、岸本は一人逆らって、今小母さんの噂をしてたところだと云ってしまった。そう、いない者はとかく損ね、とそれがまるで無反応なので、岸本は云い続けた。

「小母さんが、あの……依田さんと関係があるとかないとか、そんなことが問題になっちゃって……。」

彼女の眼がちらと光ったようだったが、瞬間に、それはとんだ光栄で、何か奢らなければなるまいと、更に無反応な結果に終ったのであったが、男達の方ではその逆に、へんに白け渡って、岸本の方をじろじろ見やるのだった。岸本は席に戻って、煙草の煙のなかで、考えこんでしまった。そこへ、蓄音器が鳴りだし、それに調子を会して、彼等が敵意的な足音を立て初め、マダムはスタンドの向うに引込んで、何やら書き物をしていた。