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Japanische Klassiker mit Furigana

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えのかなしみ

画の悲み

国木田 独歩

Lesen Sie 画の悲み (えのかなしみ) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.772 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

そして先ず自分の思いついた画題は水車、この水車はその以前鉛筆で書いたことがあるので、チョークの手始めに今一度これを写生してやろうと、堤を辿って上流の方へと、足を向けた。

水車は川向にあってその古めかしい処、木立の繁みに半ば被われている案排、蔦葛が這い纏うている具合、少年心にも面白い画題と心得ていたのである。これを対岸から写すので、自分は堤を下りて川原の草原に出ると、今まで川柳の蔭で見えなかったが、一人の少年が草の中に坐って頻りに水車を写生しているのを見つけた。自分と少年とは四、五十間隔たっていたが自分は一見して志村であることを知った。彼は一心になっているので自分の近いたのに気もつかぬらしかった。

おやおや、彼奴が来ている、どうして彼奴は自分の先へ先へと廻わるだろう、忌ま忌ましい奴だと大に癪に触ったが、さりとて引返えすのはなお慊だし、如何してくれようと、そのまま突立って志村の方を見ていた。

彼は熱心に書いている。草の上に腰から上が出て、その立てた膝に画板が寄掛けてある、そして川柳の影が後から彼の全身を被い、ただその白い顔の辺から肩先へかけて楊を洩れた薄い光が穏かに落ちている。