Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しろっぽいようふく

白っぽい洋服

田中 貢太郎

Lesen Sie 白っぽい洋服 (しろっぽいようふく) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.116 Zeichen · 9 Bildschirme

Aozora Bunko

夫人は証書が己の家にあると云ってはつごうがわるいので、

「証書ですか」

と、云いかけたところで、

「お宅にたしかにあるはずです、木村にはそんなものはないそうですから」

と、正義はおっかぶせるように云った。夫人はもしかすると正義が木村を調べて来たかも判らないと思ったので、もう何も云うことができなかった。正義はそのうちに上衣の内衣兜から蟇口を出して、中から紙幣を出して六枚数えて卓の上に置いた。

「もう今晩は遅いのですから、こまかいことはそのうちにゆっくり伺います、どうか証書を出してください」

「そうですか、では」

夫人はそのまま出て往ったが、間もなく一枚の書類を持って来た。

「それでは、これを」

正義は金を夫人の前へ出した。

「では、これを」

書類は正義の手に渡り金は夫人の手に渡った。と、正義は衣兜から蝋マッチをだして、火を点けるなりその書類の端に点けた。書類はめらめらと燃えた。正義はその燃えさしを傍の火鉢の中に入れて夫人の顔を見た。

「これで、もうすみました、どうも有難うございました」

正義はそのまま玄関へ出た。そして、夫人が気が注いて後から往った時にはもう正義の姿は見えなかった。