Japanische Klassiker mit Furigana
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さらやしき
皿屋敷
田中 貢太郎
Lesen Sie 皿屋敷 (さらやしき) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.729 Zeichen · 4 Bildschirme
と云っているところへ奥方が出て来たが、お菊の前の破れた皿を見るなり、お菊の髪をむずと掴んでこづきまわした。
「この大胆者、よくも殿様御秘蔵のお皿を破ってくれた、さあ云え、なぜ破った、なぜお皿を破った」
奥方は罵り罵りお菊をさいなんだ結句主膳の室へ引摺って往った。濃い沢つやしたお菊の髪はこわれてばらばらになっていた。お菊は肩を波打たせて苦しんでいた。
「殿様、大変なことをいたしました、この大胆者が御秘蔵のお皿を破りました」
「なにッ」主膳の隻手はもう刀架の刀にかかった。「ふとどき者奴、斬って捨てる、外へ伴れ出せ」
奥方は松のうちに血の穢を見ることは、いけないと思った。
「それでも、初春の松の内を、血でお穢しなさるのはよろしくないと思いますが」
「そうか、さらば十五日過ぎてからにする」
そう云うかと思うと主膳は小柄を脱いて起ちあがり、いきなりお菊の右の手首を掴んで縁側に出て、その手を縁側に押しつけて中指を斬り落した。お菊は気絶してしまった。主膳はその態を見て心地よさそうに笑った。
「この女をどこかへ押し込めておけ」
お菊の身体は若侍の一人に軽がると抱かれて台所の隅の空室に運ばれた。