Japanische Klassiker mit Furigana
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しんきちとおかあさん
真吉とお母さん
小川 未明
Lesen Sie 真吉とお母さん (しんきちとおかあさん) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.689 Zeichen · 8 Bildschirme
そこで堤燈を借りてゆこうと立ち寄りました。ふいに、真吉が帰ってきたので、呉服店のおかみさんは、おどろいて、
「まあ、どうして帰っていらしたか。」と、たずねました。
真吉は、お母さんのことを心配して、見に帰ったと話すと、
「なんの、お母さんは、お達者でいらっしゃいますよ。昨日おいでになって、東京へいっている息子の春着を造ってやるのだと、反物を買ってお帰りになりました。」と、おかみさんは、告げました。
真吉は、これをきくと、安心して、いままで、張りつめた気持ちがなくなりました。そして、お母さんの、真心からの教えが、
「お母さんのことは、心配しなくていいから、よくおつとめなさい。」と、おっしゃったことが、頭の中にはっきりと浮かんできました。
たとえ、これから家へ帰れても、この雪では、明日の中に東京へ帰ることはむずかしい。そうしたらご主人が心配なされるだろう。お母さんの達者のことがわかったうえは、いまからすぐに夜行に乗って、東京へゆくことにしようと、真吉は、思いました。そして、呉服店のおかみさんが、しんせつに、泊まっていったらというのをきかずに、停車場へ引き返して、出立したのでした。