Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ねむりにんぎょう
眠り人形
野村 胡堂
Lesen Sie 眠り人形 (ねむりにんぎょう) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.770 Zeichen · 16 Bildschirme
何? ある、では一寸貸してくれ、有難う、これでよかろう」
理科の時使うピンセットの先を、人形の小さい口の中に入れて、中からそっと引張り出したのは、ていねいにたたんだ一枚のパラフィン紙です。
「これだけの物が入っていては、眼を半分しかあかないわけだ。つまらないいたずらをしたものだな」
一度はポイと捨てようと思ったパラフィン紙の切れ端を何んの気もなくひろげて見ると、それは丁度銀紙と一しょに巻煙草を包んである三寸四方ほどのパラフィン紙で、その中には、薄い鉛筆で、細かい字が一パイに書いてあるのです。
「これは大変なものだ、どれどれ、
――悪漢に欺かれて向島の或家に押し込められている、電車に近く、深い庭のある、悪漢共の巣窟だ、早く救い出す方法をとってくれ、この手紙はよし子へ土産に買って来た人形に封じ込めて、悪漢の手下の一人を買収して鞄と共に送り届ける、人形の眼が開かないようになっているから、多分気が付くだろう、悪漢共は私の署名と実印で私の財産を横領しようとしているが、私の眼玉の黒い内は決して署名しないつもりだ、――
加奈ちゃん大変だ、これはさっきの古道具屋の話した、松沢彦次郎という人から送った密書だ」