Japanische Klassiker mit Furigana
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しゃちょうひしょ
社長秘書
佐々木 邦
Lesen Sie 社長秘書 (しゃちょうひしょ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.738 Zeichen · 14 Bildschirme
という註文だった。何うだね? 人情の機微を穿っているだろう」
「はゝあ」
「去るものは日に疎い。一番可愛いのは矢張り現在の夫婦間に出来た子だ。その次に自分の子がいとしい。しかし義理以外に関係のない子には責任を感じないということになる。咄嗟に出た細君の言葉にこの辺の消息がアリ/\と現れているから面白いのさ」
「成程ね」
と塚本さんはいつになく感心した。
「新夫人を迎える人もあるんだから、お互も大いに若返る必要があるね」
と社長は尚お話し込もうと努めた。
「駄目ですよ、もう」
「そんな意気地のないことじゃ星野君に圧倒されてしまう」
「いくら足掻いても、もう王侯貴人ですからね」
「相変らずやっているかい?」
「やっています」
「能く寝られるだろう?」
「寝られます。時に社長、王侯貴人ではこの間大失策をしましたよ」
と今度は塚本さんが思い出した。
「こぼしたね。我輩も能くこぼす」
「いや、然うじゃありません。火傷をしたんです」
「火傷を? 王侯貴人でかい?」
「然うです。私は癇が強い為め寝るのがナカ/\むずかしいんです。殊に蚊帳を釣ると寝られないのには困ります。それで昨今は二階の一番静かな部屋に蚊遣りを焚いて休みます」