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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぴこんちゅうかん

神秘昆虫館

国枝 史郎

Lesen Sie 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.803 Zeichen · 213 Bildschirme

Aozora Bunko

またも一足踏み出して、またも黄金の杖を突いた。と、リーンと美しい音色が、部屋へ拡がったものである。

事の意外に桔梗様が、ポッカリとその口を無邪気に開け、ポッカリとその眼を無邪気に見張り、しばらく物の云えなかったのは、当然なことと云わなければならない。

もちろん返辞はしなかった。もちろん微動さえしなかった。呆然見詰めているばかりであった。

この桔梗様のそういう態度は、見ようによっては図々しくも、また大胆不敵にも見える。

それが華子を怒らせたらしい。俄然態度を変えたものである。

「オイ」と云ったが、その声は、優しい女の声ではなく、残忍な悪婆の声であった。「処女に似わず図々しいの、フフンそうか、そう出たか、よろしいよろしいそう出るがいい。が、すぐにも後悔しよう、顫え上がるに相違ない、悲鳴を上げるに相違ない、そうして許しを乞うだろう、見たようなものだ、見たようなものだ! まず!」

というと冷泉華子は、そろそろそろそろと黄金の杖を、斜めに上へ振り上げた。

「打ちはしないよ。何んの打とう、もっともっと凄いことをする。……ご覧!」

と今度は嘲笑った。と、クルリと身を廻わし、釜の方へスルスルと寄ったかと思うと、振り上げていた杖を斜かいに、グーッと釜の中へ突っ込んだ。