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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぴこんちゅうかん

神秘昆虫館

国枝 史郎

Lesen Sie 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.803 Zeichen · 213 Bildschirme

Aozora Bunko

「少し考えを運ばせさえすれば、莫大な金が手に入るのさ」

「ねえ、吉次さん」と寄り添った。

「うん」と云ったが片足の吉次は、凝然と滝壺を見下ろしている。

ひん曲がった美しい劇的光景! それはこう云ってもいいだろう。一人は片足の醜男である。一人は妖艶な女賊である。それが互いにもたれ合い、滝壺を覗いているのである。

大岩の背後には人声がする。戦闘準備の雑音もする。

だがここばかりはひそやかである。虹が相変わらず懸かっている。

五十三

その日の午後のことであったが、昆虫館の一室で、二人の老人が話していた。

「兄ごお前さんは不賛成だろうな」こう云ったのは隅田のご前。

「行くところまで行ったのだから、どうにも仕方があるまいよ」こう云ったのは昆虫館主人で、悩ましい表情が顔にある。

「兄ご夫婦の関係は、私には不思議でならないよ」隅田のご前が云ったのである。

「元からそうではなかったのだが、そういうことになったのさ」昆虫館主人は憂鬱であった。

「と云うのも永世の蝶からだろうね?」

「ああそうだよ」と昆虫館主人は、いよいよ悩ましい様子をしたが、「本はといえば扱い方の相違だ。