Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぴこんちゅうかん

神秘昆虫館

国枝 史郎

Lesen Sie 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.803 Zeichen · 213 Bildschirme

Aozora Bunko

「ふうん、何んだか解るものか」こうは云ったものの嬉しそうである。

「色気のないところが好きなんだよ」

「ところで俺らはお前さんの、見識張らないところが好きなのさ」

「見識張られる身分じゃアないよ」

「また俺らにしてからが、色気の出せる身分じゃアない」

「一緒にくらしたら面白かろうね」

「え」と云ったものの片足の吉次は、松代の顔を盗むように見た。「嬲っちゃアいけない。嬲っちゃアいけない」

「何んの妾が嬲るものか。本当のことを云ってるのさ」――だが嬲ってはいるようである。

「そうかなあ、そうかなあ」吉次は茫然として考えたが、「俺らは醜男で片輪者で、女に思われたことなんかない。俺らの方では想ったがな。でもその女は見高で、相手にしようともしてくれなかった。……だから俺らはやったんだ。……だが俺らには金はある。少しばかり考えを運ばしたら、どっさり金を儲けることが出来る。半分手に入れているんだからなあ。……永生の蝶っていう奴は、水の中ででも活きられるのだよ。……」

「お金がありゃア尚いいねえ。楽な生活が出来るんだからねえ……ほんとにお前さんにあるかしら?」窺がうような調子である。