Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅうさいようしかがみ

秀才養子鑑

佐々木 邦

Lesen Sie 秀才養子鑑 (しゅうさいようしかがみ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.837 Zeichen · 32 Bildschirme

Aozora Bunko

同時に自信がある。東京にいても自分ぐらい綺麗な人は尠いのだから、この山の中では天下無敵だろうと思っている。

井上君の社宅は大きかった。役がついていると違う。客間の椅子テーブルも社長の本邸から取寄せたらしく、本式のものばかりだった。

「時に小室君、僕は昨日商大の名簿を見て、君の旧姓を発見しましたよ。括弧の中に書いてありました」

と井上君は小室君を安楽椅子に寛ろがせると直ぐにやり出した。

「旧姓玉木です」

「養子ですね? 君は」

「はあ」

「僕は御承知の通り女婿ですから、養子も同じようなものです。女房のお蔭で出世するように、兎角誤解される部類ですから、何分宜しく願います」

「僕こそ何うぞ宜しく」

「実は僕達は世間の蒙を啓く為めに会をやっているんです。橘会、又の名袖の香組といって、養子又は女婿が会員です」

「はゝあ」

と小室君は初耳らしく傾聴した。

「養子女婿だから出世するのか? 元来秀才で出世する資格があるから養子女婿に物色されるのか? これは考えるまでもないことでしょう。養子女婿は選ばれた人種です。選民です。優秀だから懇望されるんです」

「成程。一理ありますな」

「何だ? 君。