Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅうさいようしかがみ
秀才養子鑑
佐々木 邦
Lesen Sie 秀才養子鑑 (しゅうさいようしかがみ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.837 Zeichen · 32 Bildschirme
プレーンサイダーぐらいの味しかしない女房を頂戴して、国宝の様に大切にしなければならないんだから、こゝ丈けの話だけれど、矢っ張り辛いよ」
「本音を吹きやがったな」
「ハッハヽヽ」
「君達は智恵が足りないよ。一体会ってものは会員相互の便宜を計るものだ。折角の橘会も養子女婿が鼻を並べて唇までの長さを較べ合うばかりじゃ何にもならない。宜しくもっと有効に利用すべきだろう」
「成程」
「申合せさえすれば、何んな行動でも取れるんだ。例えば小遣にしても、年中足らず勝ちで悩んでいるものがあるに相違ない」
「君は何うだい?」
「楽じゃないよ。二三回裏三丁目へ伸せば、吹っ飛んでしまう」
「伸すのかい? 君は」
「無論さ。カフェーぐらい何のそのだ」
「豪いんだね」
と井上会長は感心した。
橘会は養子女婿が秀才論を振り翳してお互に励し合うことを目的とするから、一種の修養会だ。それはそれで結構だが、養子女婿は気が詰まるから、時折息抜きの方へも利用すべきだというのが小室君の卓見だった。
「おい。へまむし入道」
「何だい?」
と副会長の香坂君が振り返った。頭デッカチで怪物のような風貌をしているから、小室君がそう綽名をつけたのだった。