Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しほんたいへいき
私本太平記(三)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(三) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 222.108 Zeichen · 446 Bildschirme
まい――と、ついこれを、兼好が背負ってしまったわけだった。
「生涯、妻ももたねば、家族ももたぬ」
としている兼好としては、これは一つの矛盾といえよう。自分でもまた、後悔はしていたが、寝小便たれの命松丸も、ここへ来ては、気性もすっかり快活になって来たし、また小僕として調法でもあったから、兼好の悔いは、償われて余りがあった。
ところが、この寝小便小僧は、兼好という家族嫌いなすねお主の厄介になって来た身でありながら、この庵へ来たときから、もひとり自分以外の、連れ子を連れていたのである。
何かといえば。それは、雀の子であった。
友だちなしに育ってきた命松丸は、いつか雀を袂の中に飼うことを覚えていた。使いへ行くにも、ふところに入れて歩き、寝るにも雀と寝ていたらしい。――その雀が一羽、いまも顔を汗だくにして、カユの碗をふうふう抱えこんでいる命松丸の肩先で、
――ここへも朝飯を。
といいたげに、ちょんと、行儀よく止まっていた。
雀は、いつか兼好にもよく馴れていた。
命松丸がカユ碗を下において咳き込むと、雀は、彼の肩から兼好の肩へピラと移って、餌をネダるような媚態を作る。