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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(三)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(三) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 222.108 Zeichen · 446 Bildschirme

Aozora Bunko

お獄舎ながら今朝はお囲いも匂いめいての……、われらまでが何やらうれしゅうて、うれしゅうて」

と、行房は涙をたれて言い、千種忠顕もともに、

「みな、其許のお蔭」

と、道誉にむかって、拝まんばかりな礼だった。

道誉は胸いッぱい報われた気がした。きのうの殿上では、一条ノ大納言とか二条の少将とかいわれていた側近たちが、こんなにまで感謝してやまない。――のみならず後醍醐もと思うと、彼の瞼も理由なしに熱かった。

「ところで」

道誉はそれを告げに来たのだ。

「はや、わずかで今年も終る。あなた方みな、はからざる新年を獄でお迎えなさらねばならぬが」

「……ぜひもない」

「朝におわせば、大晦日には追儺の式、元日には清涼東階の四方拝のおん儀、節会、大饗など、さまざまな行事やら百官の唱える万歳に祝がれ給う大君であり、あなた方であるものを」

「もう仰っしゃって下さるな」

行房は、嗚咽しかけた。

「いや、いたずらにお辛がらせをいうわけではない。さぞと、お察し申すゆえ、かたちばかりの正月の神酒、ご膳部など、種々、係へ申しつけおきました」

「や、それまでに」

「ところで、この道誉もですが、正月は一度近江へ帰国し、またすぐ上りますが、しばしはこれへ伺えぬかもしれませぬ。