Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(三)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(三) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 222.108 Zeichen · 446 Bildschirme
「あっ、この一軍は?」
馬を持つ者は馬の背へ戻り、徒歩の兵は弓、長柄を持ち直し、「すわ」と、すぐ凄まじい対峙を作った。
「騒ぐな」
道誉は制した。
「味方らしいぞ。千葉ノ介と小山秀朝が、山陽道から追ッついて来たのかもしれぬ」
やがて彼方からのものが近づくほど、道誉の頬には微笑がのぼっていた。
やはり待ちかねていたその手勢だったのである。しかし全部ではなく、小山秀朝とその一隊だけだった。
「やあ」
と、お互いは、相近づくなり、馬上から手と手を伸ばして握り合った。
「ご苦労だったな。小山」
「いや、御辺こそ」
「して、千葉ノ介は」
「一日ほどは遅れ申そう。あとの船坂峠に残って、念のため、殿軍しておる」
「では、予想にたがわず、土地の土豪や残党ばらが、山陽道の険路へ出て、帝の奪取を計っていたのだな」
「お察しは図星だった。しかし彼らの計のウラをかいた備前佐々木党のうごきも彼らのキモを脅かし、またこのほうも、飽浦の加治安綱が、加里屋(赤穂)ノ浦へ加勢に上がった日を期して、一せい兵をすすめたので、船坂峠のいただきに兵を伏せていた児島高徳、松田の権ノ五郎らも、事成らずとあきらめたか、やがてちりぢり軍を解き、いずこへともなく逃げ失せました」