Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(三)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(三) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 222.108 Zeichen · 446 Bildschirme
つたえ聞いて、近郷の比良、焼津、そのほかの山家などから、お味方にと、山へ馳せのぼって来る郷士らも多かった。彼らにすれば、野望を賭ける「時こそ」だった。千載一遇、この時潮に乗りおくれては――と、錦旗をのぞんで来たものだろう。
合戦第一日の戦況も、この意気がものをいって、山門がたの大勝に暮れた。――同夜、大塔ノ宮は、日吉山王の八王子に床几をすすめ、弟宮の座主宗良も、同所に陣座して、
「明日こそは、なお」
と、勝ちにのッた大衆の沸るような戦意の中につつまれておいでだった。
はや、湖光が白む。
坂本にはもう朝霧のうちから雄たけびがわいていた。
たえず戦況が、ここへ来る。
そのたびに、大塔ノ宮は、
「良忠、味方はつよいな」
と、かたわらにいる殿ノ法院良忠をみて、ニコとされた。
この良忠は、越後に流された忠円の法弟なのだ。また無二の宮の腹心でもあった。
そのうちに、麓の方から、わあっというどよめきにくるまれつつ、一人の大法師が、薙刀の先に、武者首をつらぬいたのを担いで、駈け上って来た。たれかと見れば、岡本坊の快実という豪の者だった。
その快実は、両宮の床几に近い所まで来ると、ほこらしげに、六方踊りの足踏み鳴らしながら、