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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(五)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(五) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 252.330 Zeichen · 505 Bildschirme

Aozora Bunko

「いや。それは新田とか足利などの、武門の将でも棟梁格の家々のことだろう。われらのような地方武者の、家ノ子郎党合せても二、三百に足りぬ中階級の族党はどうなんだ?」

「さ。そこまでは、聞いてもおらん。おそらくは、われらの上まで廻って来るには、まだ七日も十日も先になるんじゃないか」

「ばかなことを。たとえ取るに足らん小党でも、すべてを宮方へ賭け、命がけで官軍のために働いたことでは何の上下があろう」

「ま、そう息り立つなよ。われらの軍功が取り上げられぬはずはないのだ。お沙汰書が遅れるぐらいは仕方もないさ。早く知りたければ、記録所へでも伺って訊いてみるしかないだろう」

「記録所はどこだ?」

「朝廷の内さ」

「そいつは困る。むむ、雑訴決断所なら郁芳門のそばではないか。あそこへ行ってみよう。あそこの外記か蔵人でもつかまえて、論功ノ表を内見させろといったら、見せぬとも拒めまい。這奴らにそんな権能はないのだからな。おれたちは、命をすてて戦ったのだ。軍功は他人のものではないぞ。骨肉や家来の血をながして購った軍功なのだ」

武者の鼻息はみな荒い。訛りのある田舎弁で、あたりかまわぬ立ち話だった。