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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(五)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(五) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 252.330 Zeichen · 505 Bildschirme

Aozora Bunko

だが、また。

世間の見えぬ所では、こういう世相に怏々として、ふんまん遣る方ない正直まッ法な良民も少なくなかったにちがいない。

河原の落首がそれを証拠だてていた。落首は、ご新政をひぼうするものとして、検非違使ノ役人が見つけしだい取り払って捨て、また下手人は仮借なく挙げてもいたが、なお三条、七条河原などに、夜陰、落首をたてて世を皮肉る者がたえなかった。それはその諷言を見に集まる民衆の顔つきから察しると、いわば自分たちの代弁者として、それに喝采しているふうであった。

彼らにも批判はあるが、無力な民だ、批判を吐く自由の場がない。

それが河原の落首となった。そして毎度、瓦版の立ち読みでもするような人だかりをみたのであった。

中でも「建武記」に誌されている建武元年夏八月の“二条河原落書”などはその代表的なものといえようか。それそのままが“時世粧”の側面観をなしていて、彼らのかなしい泣き笑いが諷嘲のうちに聞えもする。

ちと長いが、以下原文のまま掲げてみよう。

この頃、都に流行るもの

夜討ち、強盗、偽綸旨

召人、早馬、から騒動

生首、還俗、自由出家

俄か大名、迷ひ者

安堵、恩賞、虚戦