Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しほんたいへいき

私本太平記(五)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(五) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 252.330 Zeichen · 505 Bildschirme

Aozora Bunko

いわゆる“お姉さん女房”の准后三位ノ廉子も、みかどのこの病だけには、灸を持ちだすこともできず、「……ま。おからだをおこわしなさらぬほどに」と、品よく苦笑して、見て見ぬふりでいるらしい。

いかんせん、彼女の容色もはや三十路のなかばである。自信はない。けれどそれは決して帝という男を肌から離しきった意味ではない。むしろ完全なわがものとしての安心でさえあったろう。みかどが夜ノ御殿にいることなく、栄子の几帳や后町の局々を、毎夜毎夜かえておいでであろうと、帰るところは自分のほかにないものときめていた。またそう信じていいだけの理由もある。

廉子が産んだ親王恒良は、かねがね、彼女がのぞんでいたとおり、ことしの正月、

皇太子恒良

となって、東宮にさだめられた。すなわち次代の天皇である。もうこれ以上、彼女が後醍醐にせがみ求める何ものもないはずだった。でもなお、安心できないとするならば、それは嫉妬以外なものではない。だが嫉妬が男を独占しうるものでないぐらいな分別は彼女の賢さとその見識が噛みわけていないわけもない。

皇太子は十三だった。

ほかにも腹ちがいの年上の親王方はたくさんいる。