Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんのゆうしゅう

秦の憂愁

豊島 与志雄

Lesen Sie 秦の憂愁 (しんのゆうしゅう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.389 Zeichen · 19 Bildschirme

Aozora Bunko

」

そう言って秦は笑った。星野の胸にその笑いが、鋭いものを伝えた。

賑かな大通りに出ると、張は三輪車を三台つかまえた。星野は秦の横に乗せられた。頭も身体もふらふらしていた。

静安寺路の奥まったダンスホールに一同ははいった。特別な待遇を受けたらしかった。強烈な酒が出された。

音楽は拙劣だったし、妙に客も少くて淋しかったが、いつのまにかじみな衣裳のダンサーが大勢、同席に来ていた。秦は巧みに踊った。星野も少しく踊った。

星野は急に意識がぼやけてきた。時の経つのが分らなくなった。何もかも忘れかけた。

皆が立ち上る気配に、星野も立ち上った。へんに騒々しい静けさを感じた。路地に出た。外は暗かった。

ここまで付き添ってきていた二人の青年が、突然駈けだした。叫声が起った。秦の姿は見えなかった。星野は衝動的に街路へ走った。眼が覚めた感じだった。

淡い明るみの中に、人立ちがあった。数名の者が走っていた。人立ちのなかに張浩が地面に倒れていた。横腹から血が流れ出していて、身動きもしなかった。

星野は秦を見出した。昂然……という感じでつっ立っていた。その腕を掴むと、彼は振り向いた。