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Japanische Klassiker mit Furigana

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ほだかだけやりがたけじゅうそうき

穂高岳槍ヶ岳縦走記

鵜殿 正雄

Lesen Sie 穂高岳槍ヶ岳縦走記 (ほだかだけやりがたけじゅうそうき) von 鵜殿 正雄 (うどのまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.443 Zeichen · 17 Bildschirme

Aozora Bunko

宿れそうだ。やがて、雲霧も次第に薄らぐ、先ず安心、と濡た衣裳を乾かす。

この大谷を、横尾の空沢または大沢「信濃、横尾の空沢、嘉門次」という。空沢とは、水なき故なりと。上方は、兀々とした大磧、その間を縦に細長く彩色しているのは草原、下方は、偃松、ミヤマハンノキ、タケカンバ等が斑状に茂っている。南穂高から東北に岐れ、逓下して梓川に終る連峰は、この谷と又四郎谷との境で、屏風岩または千人岩(宛字)「信濃、屏風岩、嘉門次」と呼ばれ、何れもよく山容を言い顕している。

この石窟は、穂高の同胞で取り囲まれ、東方はやや低下しているので、丁度少し傾斜した大摺鉢の中点にあるようだから、風は当らない、その上絶えず焚く焔で、石の天椽は暖まる、南方に大残雪を控えているにもかかわらず、至極暖かだ。雨はやみ、風は起らず、鳥も歌わない、虫も鳴かねば、水音も聞えぬ、一行の興じ声が絶えると、森として無声、かくも幽寂しき処が世にもあろうかと思われた。九時、石造の堅き寝台に横たわった、が昼の労れで、ついうとうとと夢路を辿る。

十六日前四時、目をこすりながら屋外に這い出して、東方を見ると、今しも常念は、ほんのりとした茜色の曙光を負いて、独特のピラミッド形を前山の上に突き出し、左ん手で妹子の蝶ヶ岳を擁している、近くは千人岳とて、多くの羅漢が如鬼如鬼