Japanische Klassiker mit Furigana
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くうちゅうせいふく
空中征服
賀川 豊彦
Lesen Sie 空中征服 (くうちゅうせいふく) von 賀川 豊彦 (かがわとよひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.687 Zeichen · 215 Bildschirme
二三 恋の烟る大阪
…」と弘子さんはびっくりしている。
「どうぞ、お宅でおかまいなければ、お通し下さいませんか? 」
弘子さんは、淀君を案内して店から奥の間に帰ってきた。なるほど、淀君はご大典の時にでも着るような装束をつけ、厚化粧の上に十二重の内掛を着ている。そして今、豊臣家の大奥から出て来たばかりだといった様子であった。
二三 恋の烟る大阪
挿絵23
淀君は別に用事もないが、太閤さんが一週間ほど前にお城を出たっきり、帰って来られないので、心配して尋ね回っておられるのだと言われた。
淀君の言われるのが面白い。
「三百年ぶりに大奥から出て見ると、世の中は実に醜く見え候。あの煙を吐く煙筒などいうものは昔はなかりしほどに、世の中は桜も、藤も、美しく見物いたし候が、煙のある今日は花も、紅葉も、みな煙り候え」
淀君は今日三河の山奥の人々が訛るような口調で静かに物語られた。そのしとやかな美しい言葉と態度には賀川市長も少からず動かされた。
賀川市長は、淀君に妻君のことを尋ねられたので、
「実は淀君、ただ今妊娠中で貧民窟に置いておきますと危険なものですから、田舎のほうへ預けておきました」と答えると、淀君は微笑んで、