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Japanische Klassiker mit Furigana

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くうきおとこ

空気男

海野 十三

Lesen Sie 空気男 (くうきおとこ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.792 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

なるほど白い薬の包みがある。

「これですか、あなたア」

「おお、それだ。早く早く。ゴホンゴホン」

妻君が薬の包みを渡すと、博士は枕元のコップに水をなみなみと注いで、

「さらば、愛するオクサンよ!」

と云うなり、薬を口中に抛りこもうとした。ぜんそくの薬と思わせたのは、実は消身薬の包みであった。

「あなた、待って――」妻君は愕いて清家博士の手を押さえた。

「あなたが死ぬなら、妾も一緒に死にますわ」

妻君は博士が自殺するものと早合点したので、そういうが早いか妻君は戸棚の引出しのところへ駈けつけるなり、自分も一袋をとって口の中に抛りこんだ。

かくて二人の姿は、この寝室から消え失せた。どこからか博士の舌打ちの音が聞える。

消身剤

粉末の消身剤をのんだ清家博士は、トタンに大後悔した。まさか妻君が、それを同時にのむとは考えていなかったのである。

粉末の消身剤は、例の電気的に消身する青い器械とは効力がちがっていた。粉末の方は、ずっと前に発明したもので、効き目は青い器械よりは強い代りに欠点があった。

それは、飲めば身体が空気と同じようにフワフワになってしまうことだった。