Japanische Klassiker mit Furigana
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はしがき
童話集 春
竹久 夢二
Lesen Sie 童話集 春 (はしがき) von 竹久 夢二 (たけひさゆめじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.531 Zeichen · 97 Bildschirme
「ウーウー」と吠えましたから、お才がなき出しました。
與太郎はお才をつれて電車通の方へゆきますと、向うから、黒い毛皮のコートを着た奥さんがくるのを見つけました。與太郎は奥さんにお辞儀を一つして、
「おくさん、たいそう寒い風がふきますわね。おくさんはたいそう重そうな包を持っておいでですね。ぼくが、すこし持ってあげましょうか」
そういうと、奥さんは白い顔のなかで、黒い眼を三角にしていいました。
「まあ、いやな子だよ。知らない人に物をいうなんて、きっと乞食の子だね、お前さんは」
そういって、ずんずんいってしまいました。
こんどは、鼻の頭の赤い肥った洋服の旦那が、坂の方から酔っぱらって下りて来ました。與太郎は旦那の前へいって、
「旦那は酔っていますね。」
そういうと、今までにこにこしていた旦那は、急にきつい顔になって、
「やい孤児院! 酔ったって余計なお世話だい。お世辞をいったって一文だってやりゃしないぞ。ぐずぐずしていると、交番の巡査にふんじばらせるぞ」
酔っぱらいの旦那はむくむく歩いてゆきました。
與太郎は、なんだか悲しくなりました。炭屋の子だからいけないのだろうか。