Japanische Klassiker mit Furigana
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わらうあくま
笑う悪魔
野村 胡堂
Lesen Sie 笑う悪魔 (わらうあくま) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.687 Zeichen · 55 Bildschirme
第三の笑い
炊事場の小母さんや、小使部屋の小使さんや、宿直の事務員などに訊くと、潮田春樹が言った通り、電気のメートルを調べに来たことは事実で、炊事場のメートルの外に、二階の廊下にあるスイッチまで見て何やら書き留めて帰ったということですが、人相は若くて良い男で、時間は潮田春樹が言った九時頃よりは遅く、九時半過ぎになって居たかも知れない、――現に副院長が自動車で出動して来た後だから――ということに一致して居ります。
「その時はあの二階の患者――美保子さんが昏睡に陥って居たのか」
花房一郎の問は行届きます。
「電気屋が二階へ行った時は、二階は大騒動でございました」
二人の小使と炊事場の小母さんも此点は一致します。
「取込の中だから、メートル調べなら後にしてくれと申しましたが、その男が聴えない振をしてグングン二階へ行きました」
斯う言われると些の疑もありません。
「事件は重大だな、千種君」
花房一郎の顔には、緊張時にだけ見られる一種の険しさが走ります。
第三の笑い
その晩、番町の熊谷三郎兵衛の邸に、三度目の襲撃がありました。
主人の三郎兵衛は、若くて美しい夫人の由喜子と、静かな晩餐を採るのが大好きで、近頃はそのせいか若い時の遊蕩癖も直り、一面から言えば、まことに結構な御主人振りでした。