Japanische Klassiker mit Furigana
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ふんにょうたん
糞尿譚
火野 葦平
Lesen Sie 糞尿譚 (ふんにょうたん) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.974 Zeichen · 99 Bildschirme
美しい女だ、と思い、なあに、なんでもないよ、友田さんが帰ったら出るから、鱸の背ごしでもこしらえて、酒の支度でもしといておくれ、久しぶりでいい気持になった、今日はゆっくりして行こう、と云った。
市内に於ける糞尿汲取人組合の結成のことで、毎回集まる者の少ないため、何十回も集会がお流れになっていたが、今夜は彦太郎が一杯買うからと云ったのに釣られたのか、六人のうち四人の顔が揃った。あとは隈井というのと天野久太郎が来さえすれば全部揃うのであった。彦太郎は無い懐をはたいて大英断をやった。今夜少々金を使っても組合さえ出来れば取り返しはつくと思うのだ。かき舟の一番奥の座敷で、鍋の中にかしわが沸々とたぎり、既に盃も相当に右往左往したあとで、誰も赤い顔をして、声も大きくなって居た。顔の大きな年増の芸者が一人、癇高い声で間断なく喋舌っていた。組合などのことはまるきり興味のなさそうな同業者達に、口を酸っぱくして彦太郎は、組合の必要なことを説き、どうにかこうにか、そういうことなれば作ってもよいという空気にまで漕ぎつけたのだが、彼等は今までお互に得意の争奪をやって来た手前、お互の顔を盗むようにちらちらと見やっては、猜疑深い表情を消さなかった。