Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

こうもうけいせい

紅毛傾城

小栗 虫太郎

Lesen Sie 紅毛傾城 (こうもうけいせい) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.403 Zeichen · 50 Bildschirme

Aozora Bunko

そこへ、フローラは不審気な顔で、紅琴の耳に口を寄せた。

「でも、ほんとうでしょうか、奥方様。ほんとうに、黄金郷の所在を御存じなのでございますか」

「知らないで、なんとしようぞ。フローラ、そもじに、その所在を明らかにするについては、陸では聴く耳があるかもしれませぬ。私たち二人は、沖に出て話すことにしましょう」

と先刻は、鉄を断つ勢いを示したにもかかわらず、その紅琴が、なぜかもの淋しく微笑んで、一艘の小船を仕立てさせた。

次第に、フローラの体には、塩気が粘りはじめて、岩城の頂きが、遠く亡霊のようにぼんやりと見えた。うねりは緩く大きく、船はすでに、二カイリの沖合に出ていた。

するとその時、意外にも、紅琴の瞼がぬれているのを見て、フローラは驚いた。

「おや、奥方さま、なぜにお泣きでございますの。御兄弟お二人を失ったとはいえ、ラショワ島の御主、黄金郷の女王となったあなたさまに、涙は不吉でございますのよ」

「いえいえフローラ、私たちは、いまこそ島に別れを告げねばならぬのです。おお、あの岩城、横蔵、慈悲太郎――これからは、二人の塚を訪れる者とてないであろう。したが、そもじは気づかぬであろうけれど、あの二人がこの世を去ったとすれば、当然火器を作って、土民たちを従えるに足る者が、島にはいのうなったはずじゃ。