Japanische Klassiker mit Furigana
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こうぎょく
紅玉
泉 鏡花
Lesen Sie 紅玉 (こうぎょく) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.518 Zeichen · 23 Bildschirme
露に光る木の実だ、と紅い玉を、間違えたのでございましょう。築山の松の梢を飛びまして、遠くも参りませんで、塀の上に、この、野の末の処へ入ります。真赤な、まん円な、大きな太陽様の前に黒く留まったのが見えたのでございます。私は跣足で庭へ駈下りました。駈けつけて声を出しますと、烏はそのまま塀の外へまた飛びましたのでございます。ちょうどそこが、裏木戸の処でございます。あの木戸は、私が御奉公申しましてから、五年と申しますもの、お開け遊ばした事といっては一度もなかったのでございます。
紳士 うむ、あれは開けるべき木戸ではないのじゃ。俺が覚えてからも、止むを得ん凶事で二度だけは開けんければならんじゃった。が、それとても凶事を追出いたばかりじゃ。外から入って来た不祥はなかった。――それがその時、汝の手で開いたのか。
侍女 ええ、錠の鍵は、がっちりささっておりましたけれど、赤錆に錆切りまして、圧しますと開きました。くされて落ちたのでございます。塀の外に、散歩らしいのが一人立っていたのでございます。その男が、烏の嘴から落しました奥様のその指環を、掌に載せまして、凝と見ていましたのでございます。