Japanische Klassiker mit Furigana
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かさねものがたり
累物語
田中 貢太郎
Lesen Sie 累物語 (かさねものがたり) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.407 Zeichen · 5 Bildschirme
女の子にはお菊と云う名をつけた。
与右衛門はそれでも女房のことを心配していたが、それは寛文十一年即ちお菊が十三の八月まで生きてその月の中旬に死んだ。与右衛門はもう年をとっていたし、女も大きいので養子をして隠居しようと思って、今度死んだ女房の甥の金五郎と云うのを養子にもらってお菊と夫婦にしたところで、翌年の正月の四日比からお菊が怪しい病気になり、二十三日になると口から泡をふいて床の上をのたうちまわって、
「苦しい、苦しい、何人ぞいねえのか」
と、云い云い気絶した。与右衛門と金五郎が傍へ往って介抱していると、お菊は呼吸を吹きかえしたが与右衛門をぐっと睨みつけた。
「おのれは、よくもよくも絹川で、わしを殺したな、わしはお菊じゃない、わしは二十年前に、おのれに殺された累じゃ、※(「女+朱」、第3水準1-15-80)な女子を女房にもらうために、わしを殺したから、おのれの女房は、皆とり殺した、これからおのれの命をとる番じゃ」
与右衛門は驚いて法蔵寺へ逃げ、金五郎は親の許へ逃げて往った。その晩は二十三夜で村の者が隣家に集まっていた。村の者はお菊のことを聞いて与右衛門の家へ往った。