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Japanische Klassiker mit Furigana

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme

Aozora Bunko

が小さくて、嫉妬を焼くので、詰まらない誤解を受けるのも厭だから、絶交したのではないけれどもなるべく往き来しないように話合いを附けたのである。だからもう啓ちゃんも疑念を晴らして安心している。恐らく今では中姉ちゃんにこんな手紙を書いたことを後悔しているであろう。―――

「板倉みたいなもん、うちをどないぞ思うてるなら思わしといたらええのんに、可笑しいわ、啓ちゃんは」

「こいさんみたいに腹が出来てたら何でもないけど、啓坊やったらそんな訳に行かんやろなあ」

妙子は、もう近頃は幸子の前でおおびらになっているので、帯の間から白鼈甲の煙草入を出して、昨今では貴重な舶来の金口を一本取って、ライタアを点じた。そして、彼女の特長である肉の厚い唇をまん円く開けて、輪を順々に吹き送りながら暫く思案していたが、

「そう云えば、洋行の話、………」

と、幸子の方へ横顔を見せたままで云った。

「………中姉ちゃん、考えてくれたか知らん」

「ふん、そのことも考えてはいるねんけど、………」

「東京で、そんな話出えへんなんだ?」

「姉ちゃんといろいろ話した時に、口元まで出かかったけど、お金の問題が絡んでるさかいにあんじょう云い出さなんだらあかん思うて、今度は何も云わんと置いた。