Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme
七
七
幸子が降りて行くと、もう奥畑は玄関の土間に立って、金の金具の光っている秦皮のステッキを衝いていた。
「僕、今の話聞いてましたけど、あんな西洋人の子供かて帰って来るのんに、何でこいさん帰らはれしませんのやろ」
「さあ、わたしかてそない思いますねん」
「何にしましても、あまり遅過ぎますさかい、その辺まで様子見に行って来よう思います。―――都合で又お寄りするかも知れませんが、―――」
「有難うございますけど、………暗うなって参りましたよってに、もうちょっと此処でお待ちになったら、………」
「そうかて、何やじっとしていられしません。待ってる間に行って来た方が早い思います」
「まあ、そうでございますか。………」
幸子は今の場合、妹のことを親身になって案じてくれる人でさえあれば、誰彼なしに感謝したい気持がしているので、ついこの青年に対しても涙を見せずにはいられなかった。
「そんなら、行って参ります。………姉さんも、そないに心配なさらん方がよろしおまっせ。………」
「有難うございます。そしたら気をお付けなさって、………」
彼女は自分も土間へ降りながら、
「あの、懐中電燈持っていやはりますか」