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Japanische Klassiker mit Furigana

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme

Aozora Bunko

明日はいよいよ乗船すると云う前の晩には、ローゼマリーは特に許されて悦子の部屋に泊ったが、その夜の二人の燥ぎようと云ったらなかった。悦子はローゼマリーのために自分の寝台を空け、自分は雪子の藁布団を借りることにしたのであったが、二人はなかなか寝るどころではなかった。貞之助は彼女達の喚き声と廊下をばたばた駈け擦り廻る音で一睡も出来ず、

「えらい騒ぎやなあ」

と云いながら布団を頭から被っていたが、だんだん暴れ方が激しくなるので、しまいに首をむっくり擡げて枕元の電燈の鎖を引いた。

「おい、もう夜中の二時やないか」

「ええ、もうそんな!」

と、幸子もびっくりしたように云った。

「あまり興奮さしたらいかんことないか。シュトルツの奥さんに怒られるで」

「今夜一と晩だけやさかい、まあ宜しいがな。奥さんかて今夜は大目に見やはりますが、………」

そう云っている所へ、

「お化けエ、………」

と云う声がして、急に寝室の方へ足音が近づいて来て、

「お父さん!」

と、悦子が襖の外から怒鳴った。

「お父さん! お化け云う独逸語どう云うのん」

「あんた、お化け云う独逸語やて。知ってたら教えたげなさい。………」