Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme
は、僕がこいさんと結婚したら、啓坊は憤慨するであろうが、お家さんや旦那さんは、却って僕がよいことをしてくれたと思われるかも知れない、なぜならお家さんや旦那さんは、多分今でもこいさんと啓坊との結婚に賛成しておられないからだ、啓坊はそうは云わないけれども、僕の見るところではどうもそうだ、などとも云った。そんな工合で、結局彼は一往も二往も躊躇すると見せかけながら、ずるずるに妙子の申込みを承諾したような形になった。
二人はさしあたって、自分達が結婚の約束をしたことは当分の間誰にも絶対に秘密にして置くこと、それより先決問題は妙子が奥畑との婚約を取消すことであるが、それも性急な手段を避けて、徐々に奥畑に分らせるように、出来れば奥畑が自発的に断念するように仕向けること、その最良の方策として、妙子は是非洋行すること、自分達が結婚するのはまだ二三年先でよいが、その場合方々から経済的圧迫を加えられるようなことがあるかも知れないから、今からそれに対抗する用意をして置くこと、その用意の一つとしても妙子は洋裁の技術習得に精進すること、等々を申し合せてそれを実行するつもりであったが、間もなくハタと当惑してしまった。