Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme

Aozora Bunko

「ほんになあ、何処の国のお子達でんねん」

と、見物席の中にいた神杉未亡人が云った。

「此処の娘ちゃんのお友達で、独逸のお方のお子達でんねん。わてとえらい仲好しで、いつも『おッ師匠はんおッ師匠はん』云うてくれはりまんねんで」

「そうでっか。そんでも感心によう見てはりまんなあ」

「それにまあ、ちんと行儀ようすわりやはって、―――」

と、誰かが云った。

「ええと、独逸の娘ちゃん、あんさんのお名前何とやら云やはりましたな、―――」

と、おさく師匠はローゼマリーと云う名が思い出せないで、

「―――あんさんも、フリッツさんも、そないしてはったらお御足が痛いことおへんか。痛かったらお御足お出しやしたら」

そう云われてもローゼマリーとフリッツとは、どう云う訳か今日はまるで別人のように済まし込んで、むずかしい顔つきで黙りこくっていた。

「奥さん、あなたそれお上りになりますか」

と、貞之助は、シュトルツ夫人が膝の上にちらし鮨の皿を載せて、不器用に箸を使い始めたのを見つけると云った。

「あなたそんな物お上りになれんでしょう。御迷惑だったら止めて下さい」

そう云って貞之助は、

「おいおい、何かもっと、シュトルツさんの奥さんに食べられそうなもんないのんか」