Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme

Aozora Bunko

とお春なのであった。「水戸ちゃん」と云うのは大船の女優水戸光子に似ているので悦子がそう呼んでいるのであるが、この看護婦は自分が一度猩紅熱に罹ったことがあって、免疫性になっていた。お春は又、あたしは移ったかてちょっとも恐いことあれしませんと云って、病人が食べ残した鯛の刺身などを、外の女中達は手も出さないのに彼女一人はこの時とばかり貪り食べると云う風で、最初のうちこそ雪子にやかましく云われ云われして近寄らないようにしていたけれども、悦子が淋しがって頻りに呼びに寄越すのと、そんなに用心しないでもめったに移るものじゃありませんなどと「水戸ちゃん」が云うのとで、雪子の叱言もそうそう利かないようになって、この頃では一日病室に入り浸っていた。そしてトランプの相手ならまだしも、「水戸ちゃん」と二人で悦子の手だの足だのを掴まえて、瘡蓋を剥がしては面白がっていた。お嬢ちゃん、まあ見て御覧、こんな工合に何ぼでも剥がれますねんと云いながら、瘡蓋の端を摘まんで引き剥がすと、ずるずると皮が何処迄でも捲れて行く。その瘡蓋を拾い集めて手の中へ入れて、母屋の台所へ戻って来て、ほら、お嬢ちゃんの体からこんなに皮が剥けるねんと、それを下働きの女中達に見せびらかして気味悪がらすのであったが、しまいには皆が馴れて恐がらないようになった。