Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme
姉は姉妹の中でも一番おっとりしたところがあり、妹たちから「神経が鈍い」と云われているだけに、妙子の急用と云うのが何であるのか、別に聞こうともしないのであったが、それでも厄介な用談を提げて来た末の妹が、回答を待たないで帰ってしまったので、ひそかに胸を撫でおろしているらしいことは、様子にも窺われた。そして、今日はもう直ぐ帰ると云いながらも、宿屋の座敷で幸子と二人昼食を取ったが、
「こいさんこの頃、啓坊と附き合うてるのんかいな」
と、ふっとそんな風に云った。
「ふん、たまに附き合うてるらしい」
「啓坊の外にも、誰かあるのんやてな」
「そんなこと、誰に聞いたん」
「この間、雪子ちゃんを貰いたい云うのんで、あたし等の身許を調べた人があってんわ。尤もその話は破れたよってに、雪子ちゃんには云わんと置いたけど」
―――姉は、その縁談の橋渡しをしてくれた人が、自分達に好意で教えてくれたので、委しくは聞かなかったけれども、近頃こいさんが啓坊とも違う身分の低い青年と懇意にしておられるそうで、その男と妙な噂が立っているのを御存知ですか、勿論風説に過ぎないでしょうがちょっと御注意申しますと云われた、それで、その時の話が破談になったのも、雪子ちゃんには申分ないのだが、こいさんのそう云う噂が祟ったのかと思われる、と、そう云って、私は幸子ちゃんやこいさん