Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme
同時に又、板倉がそう云ういかがわしい医師と知らずに、その医院へ治療を受けに行ったことは当人の不運と云うより外はない。
―――が、それは後の話である。
幸子は雪子からこれらの事情を一と通り聴き終ると、次に尋ねたことは、雪子が板倉の妹と電話で話したのは何処の部屋であったか、その電話の内容はお春を始め女中達に知れたであろうか、貞之助は知っているのか、等々の事柄であった。雪子は、最初の電話の時は自分とお春とが離れにいたので、離れの方へ懸って来、悦子と、「水戸ちゃん」と、お春とが聞いていたこと、「水戸ちゃん」とお春とは変な顔をして黙っていたけれども、悦子が、板倉がどうしたのん? 何でこいさんが帰って来るのん? と、うるさく尋ねるのに閉口したこと、そして、どうせお春に聞かれたからには女中達にしゃべるであろうし、それはこの場合或る程度仕方がないが、「水戸ちゃん」に聞かれることは好ましくないと考えたので、二度目からは母屋の電話で話したこと、貞之助兄さんには、電話のことも自分が取った処置のことも報告して諒解を得てあること、などを語ったが、なお貞之助も蔭ながら心配をし、今朝は出がけに妙子から委しく経過を聞いて、それは是非とも外科の手術を受けて見るように勧めてやりなさい、と、そう云って出たくらいである、と云うことであった。