Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme
老夫婦の云っていることはひどく小声で、幸子には聞き取れないけれども、母親が何か頻りに歎息するような口調で云うのに、父親も動かされながら耳を傾ける様子である。妙子と妹とはその間に嫂を掴まえて、外科的手段を取らずに殺しては親兄弟の越度になることをくどくどと云い聞かせて、何とかして母親を納得させてくれるように頼んでいる。嫂は二人に口説かれると、それも尤もと思うらしく、母親のところへ立って行って、いろいろ云って見るけれども、母親は、どうせ死ぬなら満足な体で死なしてやってくれの一点張りで、それを押し切って頼むと、そんなむごたらしいことをして、きっと助かると云う保証をしてくれるかと逆襲する。嫂は又引き退って来て、とても私が云ったんではお母さんは承知しない、年寄にそう云う理窟を云っても分らないのだからと、今度は妹を宥めにかかる。すると妹が自分で母親のところへ立って行き、お母さんはただ可哀そうだとかむごたらしいとか、目前の辛さばかりを考えて、ほんとうに親としての道を尽そうとしない、助かる助からないは兎に角として、あとに思い残りがないように、出来るだけの方法を取って見るのが私達の責任ではありませんかと、泣き声を出して老婆の頑冥を攻撃する。