Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme
―――要するに、そう云う風なことをいつ迄も繰り返しているのであった。
「中姉ちゃん、………」
と、妙子はしまいに幸子を呼んで、廊下の一番遠くの方へ引っ張って行った。
「………田舎の人云うもんは、何でああ気が長いのんか、呆れてしまうわ」
「けど、お母さんの身になったら、あない云やはるのんも無理のないとこかも知れんわな」
「もうどうせ手後れや思うて、うちは諦めてるねんわ。けど妹が、何卒一遍御寮人様からお母さんに云うて戴くようにお願いして下さい云うねん。あのお母さんは家の者には強情やけど、偉い人の前へ出たら、何もよう云やはらんと、左様でございますか云うて、納得してしまやはるねんて」
「私が偉い人かいな。………」
幸子は正直のところ、他人が余計な差出口をして、結果が面白くなかった場合、あのお婆さんの調子では後でどんなに恨まれるか分らないし、而も十中の八九まで不成功に終るであろうことは見えているとすると、とてもそう云う相談に係り合う気にはなれなかった。
「………まあ待ってて御覧、あない云うてはるけど、結局皆の云う通りにせんならん云うことは分ってはるねんが。ただ気の済むまで、あんな風に愚痴をこぼしてはるねん。