Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme

Aozora Bunko

或る者はびしょびしょになった制服やシャツを搾ったり、裸になって体を拭いたりしている。或る者は服が濡れているので、腰掛に掛けるのを遠慮して突っ立っている。彼等は代る代る窓の外を覗いて、ほら、屋根が流れて来た、畳が流れて来た、材木だ、自転車だ、おや、自動車が来た来た、などと騒いでいたが、そのうちに一人、

「おい、犬がいるぞ」

と云った者があった。

「―――あの犬、助けてやろやないか」

「何や、屍骸と違うのんか」

「違う違う、生きてるねん、ほれ、その線路の上に、―――」

中ぐらいの大きさの、テリア系の雑種の犬が一匹、毛を泥まみれにして、なるたけ雨に打たれないように汽車の車輪の蔭に身をひそめながら、ぶるぶる顫えて蹲踞まっているのを、二三人の生徒が助けてやれ助けてやれと云いながら、降りて行って引っ張り上げて来た。犬は室内へ入れられると、ぶるん、と首を振って体じゅうの水を払ってから、助けてくれた少年の前へ来ておとなしく跪いた。そして、驚いたような、恐怖に満ちた眼でじっと少年を視上げた。誰かが鼻先へキャラメルを持って行ってやったが、ちょっと匂を嚊いただけで食べようともしない。