Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しばられたあひる

縛られたあひる

小川 未明

Lesen Sie 縛られたあひる (しばられたあひる) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.532 Zeichen · 9 Bildschirme

Aozora Bunko

だいぶ暖かになったので、水の中の魚が、しきりと輪を描いて泳いでいました。このとき、乞食の子は、町の方から、一羽のあひるを抱いて帰ってきました。それより、一足先に小舎へもどっていた父親は、それを見て、

「どこでさらってきた?」と、たずねました。

「犬がくわえてきたのを追い払って、捕らえてきたのだよ、どこにも傷がついていないようだ。」と、子供は、あひるを大事そうに両腕の間に入れて、いつまでも放そうとはしませんでした。

「焼いて、食べたら、うまかろう。」と、父親は、じっと、ふるえている羽の紫色をした鳥を見つめました。

「俺はいやだ、殺すなんて。」と、子供は、白目を出して、父親の顔をにらみました。

「どうする気だ?」と、父親は、そっけなく問いました。

「おら、飼っておくのだ。」

「ばかめ、そんなもの飼っておいてみろ、おまえが盗んできたことになるぞ。」

子供は、考えていましたが、

「明日殺そうよ。今夜だけ、川の中へ、一晩、足を縛って放しておくから、それならいいだろう?」

「かってにしろよ。」

父親は、無理に今夜あひるを殺すとはいいませんでした。せめて、一晩は、子供の自由にさせておいてやろうと思いました。