Japanische Klassiker mit Furigana
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しばられたあひる
縛られたあひる
小川 未明
Lesen Sie 縛られたあひる (しばられたあひる) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.532 Zeichen · 9 Bildschirme
流れの辺りに、三本のぶなの木が立っていました。冬の間、枝についた枯れ葉を北風にさらさらと鳴らしつづけていました。他の木立はすべて静かな眠りに就いていたのに、このぶなの木だけは、独り唄をうたっていたのです。
ここからは、遠い町の燈火がちらちらと見られました。ちょうど霧のかかった港に集まった船の灯のように、もしくは、地平線近く空にまかれたぬか星のように、青い色のもあれば、紅い色のもあり、中には真新しい緑色のもありました。そして、その一つ一つに、いろいろの生活があるごとく思われました。木たちには、人間の生活というものがよく理解されていなかったようです。人間は、ただわがままで、無考えで、快楽を追っているとしか思われませんでした。まったく生き物の悲しみというものを知らないもののごとくにしか考えられませんでした。だから、彼らは、かってに林を切り倒し、土地を掘り返して、自分たちの生活についてはすこしの同情ももっていないもののように見えたのです。
三本の木は、たがいに頭を寄せ合って、かなたの町の方を見ていました。天気のいい日には、白い煙や、黒い煙が立ち上っていました。